沙村広明「シスタージェネレーター」
感想を書くために始めたブログなんだし、あんまり溜めておくのもなー、と思ったので、ぼちぼち書いていきますか。まあ、先月に読んだものですが。
沙村さんの作品は、立ち読みを除けば初読。
ユーモアも交えつつ、父娘と家政婦の変態チックな愛情を描く「久誓院家最大のショウ」、貴族の家に売られた少女と障害を負った男の交流「ブリギットの晩餐」、漫画家を目指す青年と、同居する中学生の愛のある生活の物語「シズルキネマ」、作者が役満を上がった体験を描いた実録麻雀漫画「下層戦略 鏡打ち」、高校生のよくある(?)青春模様「青春じゃんじゃかじゃかじゃか」、悪党と賭けをした少女と英雄たち、それぞれの行動が交錯する「エメラルド」、女子高生たちがグダグダ&時事ネタ満載のトークを繰り広げる爆笑連作「制服は脱げない」、以上の作品が収録されています。
「久誓院家最大のショウ」は、妖しい雰囲気が漲った作品で、しかし人物のやりとりはとぼけていたりして、なんともいい味を出しています。気色悪さと美しさが混ぜこぜの展開が秀逸だと思います。
「ブリギットの晩餐」は、沙村さんの描く女性はきれいだなー、とかなんとか思って読みました。これまた美しいお話です。不幸ですが。
「シズルキネマ」は、前半のダラダラした感じが、後半にあんなことになって目が点になりました。意外にもちょっと泣けます。
「下層戦略 鏡打ち」については、私ならさすがに萬子は切らんだろうな、と思いました。
「青春じゃんじゃかじゃかじゃか」は、黒歴史を描いた作品ですね。見事な痛々しさ。あと、最後のページが現実を表わしているっぽくて、なんともいえない気分になります。
「エメラルド」は、やたらとかっこいい西部劇。二転三転する展開が見事で、勝手にミスリードされていたため、思いっきり意表を突かれました。「頭の体操」的なネタの使い方には痺れましたね。着地も鮮やかで、収録作の中ではいちばんのお気に入りです。
「制服は脱げない」は、ブラックジョークとシニカルな笑いが多量に投入された作品。女子高生たちの、なぜかオッサン臭く、くだらないうえに脈絡のない会話が、どこをとってもおもしろいですな。これもお気に入り。
シリアスもギャグも、あとSMやらフェティシズムも詰め込まれた傑作集でしたー。
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